2009年03月31日
九州電力3月30日の発表-【佐賀新聞】
九州電力は30日、向こう3年間の中期経営方針を発表し、新年度から原子力発電の使用済み燃料を保管する「中間貯蔵施設」の導入に向け検討に入ることを明らかにした。検討方針を経営計画の中に盛り込んだのは初めて。九電は玄海原子力発電所がある東松浦郡玄海町などの候補地を選定する現地調査を、3年間をめどに実施する意向も示した。写真
経営方針を受けた経営計画で九電は、2019年度稼働を目指す川内原発3号機(鹿児島県)の開発推進、本年度実施する玄海原発3号機でのプルサーマル計画など、原子力発電の推進を柱に据えた。核燃料の再利用計画の一端を担う中間貯蔵施設についても「長期的対策として施設設置に向けた調査・検討を行う」と記述した。
全国の原発から発生する使用済み燃料は、青森県六カ所村で試運転中の再処理工場が本格稼働してもすべてを処理できず、中間貯蔵施設の必要性が議論されてきた。玄海原発の地元岸本英雄町長は今月、佐賀新聞の取材に対し「立地に向けた検討を進めたい」と発言。九電ではこうした動き受け、経営計画に盛り込んだ。
真部利応社長は30日の定例会見で、「原子力発電の安定供給のためには、貯蔵施設を持つことが、電力会社としてなすべき自助努力だと思う。時間的余裕はそんなになく、できるだけ早く調査し、(建設を)お願いしたい」と話している。
九電側は「まだ机上調査段階」としているが、原発が立地する玄海町のトップが「容認」の姿勢を示していることについて、「ご理解いただいているのは大変ありがたい」(真部社長)と歓迎した。
ただ同原発では今秋にプルサーマル計画が始まる予定となっている。地元に対する理解活動も含め、プルサーマル実施に向けて今年が大きなヤマ場となることもあり、真部社長は「佐賀県内で、この時期に何もかもお願いするのは難しい。周辺自治体の動向もあるので、冷静に考えていかなければならない」とも語った。
【写真】中間貯蔵施設の検討を中期経営方針に盛り込むことを発表した九州電力の真部利応社長=福岡市の九州電力本社
◎九電中間貯蔵施設―玄海町「方針は当然」
県静観、市民団体は警戒
九州電力が30日、今後3年間の中期経営方針に中間貯蔵施設の設置に向けた調査・検討を盛り込んだ。九電側は候補地は未定としているが、有力視される東松浦郡玄海町の岸本英雄町長は「(九電から)説明を聞いていないので、正式なコメントはできない」としながらも「今後の使用済み核燃料の行き場所を考えると、事業者が(中間貯蔵施設設置の)方針を打ち出すことは当然だろう」と、方針に理解を示した。
玄海町は玄海原発3号機で今秋にもプルサーマルが稼働し、中間貯蔵施設の建設計画も表面化するなど、国策として進む「核燃料サイクル」の中核を担う場所になりつつある。岸本町長は核関連施設に賛否の声があることを踏まえ、候補地選定を含めた調査に関し「町民に向けた情報公開や必要性の周知を徹底してほしい」と注文をつけた。
プルサーマルを控える中、中間貯蔵施設に対して県は慎重姿勢を見せている。県くらし環境本部の城野正則本部長は「知事が議会でも答弁しているように、事業者と玄海町が勉強なり、必要であればしてもらっていい。県としては現段階で議論する段階ではない」と静観する。
一方、原発に反対する市民団体からは「これ以上の負担はいらない」と警戒を強める声が広がる。国策として進む核燃料サイクルは、中核となる青森県六ケ所村の再処理工場の稼働が遅れるなど足踏み状態。原発反対の市民団体「プルサーマルと佐賀県の100年を考える会」の清流裕子さんは「核燃料サイクルが破綻(はたん)していることを認めず、なし崩し的に進めようとしている」と強い危機感を示した。
◎MOX燃料 5月に到着
九州電力は30日、2009年度の玄海原子力発電所(東松浦郡玄海町)での新燃料受け入れと、使用済み核燃料の搬出計画を発表した。
新燃料は4―6月に2号機の28体、来年1―3月に1、4号機の合計104体を三菱原子燃料(茨城県)と原子燃料工業(大阪府)から受け入れ。使用済み核燃料は、7月―来年3月にかけ1―3号機の合計210体(89トン)を、日本原燃の貯蔵施設(青森県)に搬送する。
今秋に予定するプルサーマルで使用するMOX燃料については、5月後半にフランスから到着予定で、燃料体の数は公表していない。
2009年03月31日
「リラッキング」しても、2020年ごろに満杯。
原子炉から出た使用済み燃料棒は、一時的に原発サイト内の使用済燃料貯蔵プールに保管されます。貯蔵プールにはステンレス製の格子状のラックが有り、その格子に使用済み燃料棒を収納します。「リラッキング」とこの格子を小さく密にして、収納量を増やす事です。玄海原発でもこの操作を行う予定ですが、これを行っても最短で2020年ごろに、行わなければ2013年に満杯になる。この事は「平成21年第1回玄海町議会定例会」でも取り上げられた。また、この議会では使用済み核燃料の運搬・貯蔵の際に使われる容器である「乾式キャスク」の事も言及されている。今後の展開は不明だが、中間貯蔵施設の建設が現実問題となっている事は間違いない。
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九電、3年内に中間処理施設の候補地 使用済み核燃料一時保管
日経新聞(2009/03/31)
九州電力の真部利応社長は30日会見し、原子力発電所で発生する使用済み核燃料を一時保管する中間貯蔵施設について「3年以内に最適なところに打診したい」と述べ、3年内に候補地を選定する方針を初めて明らかにした。玄海(佐賀県玄海町)、川内(鹿児島県薩摩川内市)に次ぐ第三の原発についても「3年以内に何かしたい」と増設や新設に向けて検討を進める考えを述べた。
九電が同日発表した2009―11年度の中期計画にも初めて中間貯蔵施設の整備を盛り込んだ。地盤や用地、地元の意向などを勘案した上で候補地を選定。その上で地元に打診する。
真部社長は「時間的余裕はない。現地調査を速やかに実施し、候補地を決めればすぐにお願いにいきたい」と述べた。
中間貯蔵施設を巡っては、佐賀県玄海町の岸本英雄町長が受け入れに前向きな姿勢を表明している。真部社長は同町長の前向きな発言について「今後調査して玄海町に十分に建設できるという見通しがたてば町長にお話しすることになるが、具体的にはすべてこれからだ」と述べた。
原発で発生する使用済み核燃料は日本原燃が青森県六ケ所村に整備する再処理工場に搬出、再処理する計画。しかし、六ケ所村の再処理工場の稼働が遅れている。
九電は現在は発生する使用済み核燃料の7割を六ケ所村に搬出、3割を原発内の貯蔵プールに保管している。川内原発に続き、玄海原発でも「リラッキング」と呼ばれる手法で、燃料間のすき間を狭めることで貯蔵能力を高める努力をする。それでも同社の試算では最短で2020年ごろに満杯になる恐れがある。
このため、九電は満杯になる前に独自の中間処理施設を整備する必要があると判断、候補予定地の選定を急ぐ方針を明らかにした。
玄海原発、川内原発に続く第三の原発については、真部社長は「九電の一存では何も言えない」と前置きしつつ、3年以内に増設、新設、設備更新といった能力増強へ向けた動きを始める考えを示唆した。
九電は同日、2018年度の販売電力量が930億キロワット時と07年比で0.5%増となる見通しを発表。ガスなどを含むエネルギーの総使用量は横ばいにとどまったとしても、少子高齢化などで機器の自動化が進み、電気の比率は上昇すると見る。需要の伸びが見込めるため、原発など新たな電源開発が必要としている。
2009年03月30日
九電、中間貯蔵施設検討
佐賀新聞(2009/03/30)
九州電力は30日、向こう3年間の中期経営方針を発表し、新年度から原子力発電の使用済み燃料を保管する「中間貯蔵施設」の導入に向け検討に入ることを明らかにした。検討方針を経営計画の中に盛り込んだのは初めて。九電は玄海原子力発電所がある東松浦郡玄海町などの候補地を選定する現地調査を、3年間をめどに実施する意向も示した。
経営方針を受けた経営計画で九電は、2019年度稼働を目指す川内原発3号機(鹿児島県)の開発推進、本年度実施する玄海原発3号機でのプルサーマル計画など、原子力発電の推進を柱に据えた。核燃料の再利用計画の一端を担う中間貯蔵施設についても「長期的対策として施設設置に向けた調査・検討を行う」と記述した。
全国の原発から発生する使用済み燃料は、青森県六カ所村で試運転中の再処理工場が本格稼働してもすべてを処理できず、中間貯蔵施設の必要性が議論されてきた。玄海原発の地元岸本英雄町長は今月、佐賀新聞の取材に対し「立地に向けた検討を進めたい」と発言。九電ではこうした動き受け、経営計画に盛り込んだ。
真部利応社長は30日の定例会見で、「原子力発電の安定供給のためには、貯蔵施設を持つことが、電力会社としてなすべき自助努力だと思う。時間的余裕はそんなになく、できるだけ早く調査し、(建設を)お願いしたい」と話している。
九電側は「まだ机上調査段階」としているが、原発が立地する玄海町のトップが「容認」の姿勢を示していることについて、「ご理解いただいているのは大変ありがたい」(真部社長)と歓迎した。
ただ同原発では今秋にプルサーマル計画が始まる予定となっている。地元に対する理解活動も含め、プルサーマル実施に向けて今年が大きなヤマ場となることもあり、真部社長は「佐賀県内で、この時期に何もかもお願いするのは難しい。周辺自治体の動向もあるので、冷静に考えていかなければならない」とも語った。
2009年03月30日
3年以内に「第3の原発」-九電
産経新聞・MSN(2009/03/30)
九州電力の真部利応社長は30日の記者会見で玄海(佐賀県玄海町)、川内(鹿児島県薩摩川内市)に次ぐ第3の原発建設について、増設か新設かなどの方向性を含め「今後3年間くらいで何らかの動きを示したい」と述べた。
九電が同日発表した、今後30年間に及ぶ経営環境の見通しや方向性を定めた「長期経営ビジョン」などに関連した発言。今後10年間に販売電力量が年平均0・5%伸びるとの試算をもとに「あまり時間的な余裕はない」と検討を急ぐ考えを示した。
また九電は同日、平成21年度から23年度までの3カ年の中期経営方針も発表。対象年度内に使用済み核燃料を一時保管する中間貯蔵施設の設置に向けた検討に入ることを明らかにした。候補地や調査時期は未定。
2009年03月30日
むつ・中間貯蔵施設延期
毎日新聞(2009/03/30)
◇市への新交付金遅れ--赤字解消、計画に陰り
むつ市関根地区に計画されている使用済み核燃料中間貯蔵施設の着工が、国の安全審査が長引いていることなどの理由で今年4月から10年度上期(4~9月)に延期されることになった。市の財政は近隣の原子力・核燃関連施設の電源立地地域対策交付金に大きく依存しており、市内に設ける中間貯蔵施設の着工の遅れは財政に大きな影響を与えそうだ。【松沢康】
「新潟県中越沖地震の発生、横浜断層(横浜町)の追加調査などで想定以上の時間がかかっている」。リサイクル燃料貯蔵の久保誠社長は26日、むつ市内のホテルであった記者懇談会で着工延期を発表し、その足で市役所に向かった。宮下順一郎市長は東京に出張中だったが、事前に会社側から説明があったためか、宮下市長のコメントは既に用意されていた。コメントには「事業者は安心・安全を第一義とし、早期の操業開始に向けて鋭意努力していただきたい」とあり、行間に残念な気持ちをにじませていた。
市は近年、多額の累積赤字を抱え、財政再生団体(以前は「財政再建団体」)への転落が危惧(きぐ)されている。このため、06年度から累積赤字約21億3000万円を順次減らし、11年度で黒字化する赤字解消計画に取り組んでいる。同市の早期健全化団体の要件は、07年度決算で実質収支比率(標準財政規模に占める赤字の割合)が12・66%。市の実際の比率はこれをわずかに下回る12・59%で、市財政課は「08年度決算見込みでも基準は超えず、目標は達成できる」としている。
09年度一般会計当初予算約320億5800万円のうち、電源立地地域対策交付金は約22億5000万円で、全体の約7%を占める。地方交付税などの依存財源は73%で、綱渡り状態の厳しい財政運営が続く。電源立地地域対策交付金のうち、中間貯蔵施設関連(立地促進)は着工前の08年度(2億4000万円)から前倒しで交付を受け、09年度も3億5000万円を計上している。着工が実現すれば、単年度で約1億円の長期発展対策交付金が操業終了まで新たに交付されることになっている。しかしこれは前倒しができないため、市の収入には反映されない。
さらに市が頭を悩ませているのが、旧脇野沢村の産業廃棄物不法投棄問題だ。検出された高濃度のダイオキシン類の対策費として6億円以上がかかるとみられ、財政に打撃を与える。市財政課は「退職者の補充をせず、我慢を続けてさらに『もう一削り』を実行する」といい、経費削減でカバーする考えだ。
◇使用済み核燃料中間貯蔵施設
東京電力と日本原子力発電が共同出資した「リサイクル燃料貯蔵」(久保誠社長、RFS)が、両社の原発から出た使用済み核燃料を最大50年間、貯蔵・管理する施設。原発敷地外で貯蔵するのは同施設が国内初で、最大5000トンを貯蔵する。1棟目(3000トン)の事業許可申請は07年3月に出され、経済産業省原子力安全・保安院で安全審査中。
2009年03月30日
期待高まるメタンハイドレート
しかし、それだけに頼っていていてはいけません。太陽光や風力などの再生可能エネルギーの実用化も急務です。ですが、太陽光や風力は今直ぐに基幹エネルギーとなるには技術的にクリアーするべき問題が多くあります。
そこで注目されているのがメタンハイドレートです。メタンハイドレートも石油と同じ化石燃料系の枯渇性エネルギーではありますが、二酸化炭素排出量が石油や石炭に比べおよそ半分であるため将来有望なエネルギー資源です。
メタンハイドレートはシベリアなどの永久凍土や条件が満たされ海底等にに埋蔵されています。日本近海にも多く埋蔵されていると言われています。エネルギー資源の少ない日本にとって、これは有望なエネルギーです。研究も進められていて、大手建設ゼネコンの清水建設では、最先端のガス回収実験に成功しました。
これからは複数のエネルギー源を状況に合わせて、上手に組み合わせていく時代となっています。
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期待高まるメタンハイドレート、環境・経済両面で慎重な技術開発を
東洋経済新報(2009/03/30)
「燃える氷」……神秘的なイメージを持つメタンハイドレート。日本近海の海底に約100年分という莫大な量が眠っていて、資源小国・日本が資源大国に生まれ変わる夢の資源といわれている。2008年に制定された海洋基本計画の中でも、「海洋エネルギー・鉱物資源開発計画」の主要テーマとして取り上げられ、注目を集めている。日本のエネルギー自給率はたった4%。国産エネルギーの開発は悲願だ。08年には1バレル=140ドルという異常な原油高のせいで産業界でも石油依存低下が進んでいる。とはいえ環境やコストを考えると石炭もLNGも原子力も、エネルギー需要の半分を支える石油の代替はできない。それだけに純国産の新エネルギー開発はますます重要性を帯びている。
メタンハイドレートとは、水分子の格子状の結晶の中にメタンガスを含んだ氷状の物質。分解すると体積の約170倍のメタンガスと水になる。永久凍土や水深500メートル以上の深海底の砂層の海底面から400メートル程度の浅い範囲に存在する。0度23気圧などの低温高圧が存在条件だ。
エネルギー大国になれない
日本近海には、東海沖~熊野灘や新潟沖などで存在が確認されており、1996年の科学的概算によれば7・5兆立方メートルと推定される。当面の技術力で利用可能なのは半分程度だが、07年の国内天然ガス消費量885億立方メートルをすべて代替したとして、40年分程度の埋蔵量ということになる。しかし、日本の1次エネルギーの天然ガス依存度は16・5%。日本の総エネルギー需要に換算すればわずか6~7年分にすぎない。
それでも、国産天然ガス産出量が北海道、新潟沖、千葉沖などを合わせても全供給量の1%にも満たない現状に比べれば、自前のエネルギー源を持てる意義は大きい。ただし、商業利用がすぐに始まるわけではない。天然ガスや石油のような流体と異なり、固体で水深500メートル以上という大深海底に存在するだけに、新たな採掘技術開発が必要だ。
経済産業省のメタンハイドレート開発計画が本格的に始動したのは01年。この計画推進のため、石油天然ガス・金属鉱物資源機構と産業総合研究所の二つの独立行政法人と(財)エンジニアリング振興協会の3者によって「メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム」が設立された。
途中、試験結果が思わしくなく資源化は無理かとも思われたが、08年3月には、カナダの永久凍土で減圧法による6日間連続産出実験が成功し、期待が一気に高まった。低温高圧という条件のどちらかを取り除いてやれば、氷状のメタンはガス化する。海底の場合、ハイドレート層にまで通したパイプ内部の海水を抜いてやれば圧力が低下し、ハイドレートの分解が始まる。メタンガスの比重は空気に対して0・55だから自然に上昇してくる。現時点での回収率は30~60%という。

海底メタンハイドレート開発は日本が世界最先端だ。それでも商業化は早くても2025年ごろといわれている。09年度からスタートするフェーズ2(終了は15年がメド)では、連続産出と回収率の向上、生産量の確保が検討され、その後のフェーズ3で商業化のための技術試験、周辺海域の環境試験などが課題となる。その後、民間が引き継いで探鉱、設備投資が行われる。中国や韓国の追い上げもあるが、採取方法や採掘適地の発見などの点で、わが国に一日の長がある。欧米の研究は永久凍土のハイドレートが中心で、海洋開発には淡泊だ。有効利用が温暖化を防ぐ
問題は差し当たって予算だろう。産業界の期待を背景に、フェーズ2初年度の09年度予算は45億円と決まった。フェーズ1の年平均予算と比べ1割強の増額だ。だが、単年度会計の下では総投資額が見通せない。フェーズ2の海洋連続産出試験では、1回当たり100億~200億円必要との声もあり、継続的な予算計上が不透明な状況は、開発のモラールの低下を招く。
またフェーズ1では、メタンハイドレートコンソーシアムには270人の研究スタッフがいたが、企業の事情で引き揚げられてしまうと補充がきかない。新しい分野のうえ、過去十数年の間に多くの大学で資源関係の学科を廃止したからだ。企業の側にも腰を据えた姿勢が必要だ。さらに2~3年かかるテーマでも、国費研究だけに毎年予算申請しなければならず、書類作成に忙殺されて研究に集中できないとの話も聞く。長期テーマであることは自明であり、経済、環境での期待度が高い以上、進捗報告だけで済むようにするなど簡略化の方法が考慮されてもいい。
一方で、おろそかにされてはいけないのが環境の問題だ。メタンガスはCO2の20倍以上も地球温暖化を進行させる。だが、きちんとした管理の下に環境に配慮しながらであれば、ハイドレートのまま放置して自然崩壊によるメタン放出を招くよりは、はるかに環境にいいといえる。メタンガスは燃焼すれば石油に比べてCO2排出量は3割程度少なく、Soxは出ない。
問題はきちんと管理できるかどうかだ。ハイドレート層を分解利用することによって、それまで氷状の固体で安定していた砂地の海底地層がどう変わるのか。またハイドレート層の下に、存在確率10%とはいえフリーガスが存在する。量が少なければ海水で分解され溶け込み、海面上にメタンガスが浮き上がってくるとは考えにくいものの、大量にあった場合、その上のハイドレート層が移動したらどうなるのか。「大深海底は未解明の部分も多く、現時点では予測がつかないことも多い」と関係者は言う。
にもかかわらず、現時点で大規模な海底地質調査は予算に計上されていない。アメリカではエネルギー省を中心にベーリング海などで、大規模なハイドレート層の崩落による地滑りの研究を行っているという。ノルウェー沖の大規模な滑りで通常の数倍の高濃度のフリーガスが噴出した痕跡が発見されたという報告もある。日本でも下北沖で確認されている。こういった事例を軽視して経済優先の開発を行っては拙速のそしりは免れまい。水平エリアで採取すれば地滑りは起こらないという意見もあるが、何があるかわからない深海底で人工的に地層を変形させることによる環境影響調査は、現行以上に範囲を広げて行うべきだろう。
太陽光発電や風力発電などグリーンエネルギー利用率が需要全体の2%にも満たない日本にとって、ある程度受け入れのインフラが整っている天然ガス=メタンハイドレートが、エネルギー安全保障のうえで一定の役割を持つのは間違いない。だからこそ「海底環境変化の問題を無視して開発を進めるのは危険だ。慎重を期して進めるべき」という国立環境研究所の内田昌男氏の言葉を重く受け止めたい。
(小長洋子 =週刊東洋経済)
2009年03月28日
温暖化防止へ原発活用を勧告
佐賀新聞(2009/03/28)
【ローマ28日共同】今年7月にイタリアで開催される主要国(G8)首脳会議(サミット)を前に、G8と中国など新興5カ国の学術団体が世界が直面する問題を討議するためローマで開いた「G8プラス5学術会議」(学術団体サミット)は27日、地球温暖化防止のため原子力発電の活用を促す共同声明を取りまとめ、閉幕した。
声明は各団体で調整後、「世界の科学者の声」として各国首脳に手渡される予定。温暖化問題への対応のため、スウェーデンやイタリアなどが脱原発政策の転換を表明しており、今回の声明はこうした世界的な原発再評価の動きを後押しすることになりそうだ。
声明は、温暖化防止に向けた低炭素社会への転換に向け「安全で安定した原発の開発と放射性廃棄物処理」が必要と指摘。G8と新興国の政府に対し、安全な原子力確保のための国際協力を促した。
一方、2013年以降の温暖化対策を決定する12月の気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)で、温室効果ガス削減について「50年までに1990年比で50%以上削減」との積極的な目標を設けるよう求めた。会議には日本から日本学術会議の唐木英明副会長らが出席した。
2009年03月28日
六ケ所村核燃再処理工場連続トラブル
毎日新聞(2009/03/27)
◇県議への経過報告要請
日本原燃(六ケ所村)の使用済み核燃料再処理工場で、ガラス固化体を製造する溶融炉でトラブルが相次いでいるのを受け、蝦名武副知事は26日、トラブルの原因と対策についての進ちょく状況を県と48県議全員に報告するよう原燃の鈴木輝顕副社長に要請した。
県は原燃が国に報告をした後、県議会に全員協議会を開いてもらう考えだが、原燃の調査が長引いているため、全員協議会前に議員に経過報告をしてもらう必要があるとした。
蝦名副知事は要請後、全員協議会の開催時期について「5月の連休明けと考えていたが、もう少し時間がかかるだろう」と話した。鈴木副社長は全県議への経過報告について、「会派ごとに相談させていただく」とした。【矢澤秀範】
2009年03月27日
九電玄海原発、耐震安全性を確認。
読売新聞(2009/03/27)
九州電力は26日、玄海原子力発電所(玄海町)1~4号機の原子炉建屋と原子炉補助建屋、制御棒や蒸気発生器など主要8設備についての耐震安全性評価の結果を発表した。「安全性は維持される」としており、同日、経済産業省原子力安全・保安院に中間報告した。加圧器などその他の設備の評価も加え、3、4号機については7月、1、2号機は来年3月までに最終報告を行う予定。
安全性評価は、国が2006年9月に原発の耐震設計指針を改定したのを受けて始まり、07年7月の新潟県中越沖地震のデータも反映して昨年3月、3号機の主要設備の評価を中間報告した。その後、震源の断層の傾斜角度などをより厳しくするよう国から指示を受けて新たに模擬実験し、それまでより40ガル(揺れを示す加速度)大きい最大540ガルのデータが得られたため再評価していた。
九電は11月にも、3号機で使用済み核燃料を再処理したウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料によるプルサーマル発電を始める予定で、その前には最終報告をまとめるとしている。
2009年03月26日
中間貯蔵施設建設延期
47NEWS(2009/03/26)
青森県むつ市で全国で初めて使用済み核燃料中間貯蔵施設の建設計画を進めるリサイクル燃料貯蔵(同市)の久保誠社長は26日、記者会見し、施設の着工時期を予定していたことし4月から2010年4-9月に延期すると発表した。
国の安全審査が長引いているのが理由。操業開始も2010年12月から12年4-9月に変更する。久保社長は「(安全審査に)想定以上の時間がかかっている。今後も安全性を確認しつつ、操業開始に向け努力していきたい」と述べた。
中間貯蔵施設は、青森県六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場(試運転中)の処理能力を超えて原発から発生する核燃料を約50年間保管する予定で、同社が07年3月、国に事業許可を申請した。【共同通信】
2009年03月26日
ガラス固化製造の難航
毎日新聞(2009/03/26)
日本原燃(青森県六ケ所村)は26日、使用済み核燃料再処理工場の溶融炉でトラブルが相次いでいるのを受け、5月に予定していたガラス固化体の製造試験再開は困難になったと明らかにした。試運転(アクティブ試験)の終了は予定の8月よりさらに延びる見通しで、今秋予定の本格操業が遅れるのは必至となった。試運転の延期は事業指定後、14回目。
原燃では昨年12月、高レベル放射性廃液をガラスで固化する溶融炉内で、かくはん用の棒が曲がったり、耐火れんがが損壊したほか、廃液が漏れるトラブルもあり、固化体の製造試験はストップしている。【矢澤秀範】
2009年03月26日
川内原発、3号機増設意見聴取
毎日新聞(2009/03/26)
九州電力川内原子力発電所の3号機増設計画で、薩摩川内市議会の原子力発電所対策調査特別委員会は25日、賛成反対それぞれの陳情者から意見を聴くことを決めた。4月に特別委を2回開催し、参考人招致する。陳情30件は、継続審査とした。
増設反対陳情は、17件。川内原発建設反対連絡協議会(鳥原良子会長)などが「子や孫に負の遺産を残さないため」と増設に反対し「市民の意思を問う住民投票を実施する」よう求めている。
一方、早期着工要望は、13件。市内の経済団体などで組織する川内原子力発電所3号機建設促進期成会(田中憲夫会長)などが「原子力発電所は地域を支える重要産業。増設は地域振興に大いに寄与する」としている。
2009年03月25日
プルサーマル反対、目標40万人署名。
佐賀新聞(2009/03/24)
九州電力玄海原子力発電所(東松浦郡玄海町)のプルサーマル計画に反対する市民団体のメンバーらが23日、40万人を目標とした署名活動を展開するため、「No!プルサーマル佐賀ん会」を設立した。県内各地で学習会などを開き、署名を集めて県と議会に提出する。佐賀ん会は「プルサーマルと佐賀県の100年を考える会」や「グリーンコープ生協さが」など5団体のメンバーが中心となって設立。2007年1月、県に県民投票条例の制定を請求したが、実現しなかったため、「形を代えた県民投票」と位置付けて署名活動を展開する。
プルサーマルで使用するウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料はフランスから輸送中で、10月下旬にも発電が始まる予定。佐賀ん会は一緒に燃料が運ばれている伊方原発(愛媛県)、浜岡原発(静岡県)の地元団体とも連携して運動を広げる。
署名活動は期限を設けずに行い、4月、7月、9月末時点で集約して状況を公表。5月10日には佐賀市の「どんどんどんの森」で集会を開き、人文字を作ってプルサーマル反対を訴える。
共同代表の畑山敏夫佐大教授は「かたくなに県民投票を拒んできたが、県民のコンセンサスは十分なのか。プルサーマルとは何かが伝わっていない」と政策決定のあり方に疑問を投げかけた。
【写真】署名を呼びかける「No!プルサーマル佐賀ん会」のメンバー=佐賀市の中央大通り
2009年03月25日
原発稼働率低迷、再処理難航
佐賀新聞(2009/03/24)
原子力委員会(近藤駿介委員長)は24日、原発の設備利用率(稼働率)が低迷し、核燃料サイクルの中核となる使用済み核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)の試運転が難航するなど「原子力が社会の期待に十分に応えていない」とする2008年版原子力白書を閣議に報告した。
白書は、08年は国際会議などを通じ、原発は地球温暖化防止に有効という認識が広まった年と位置付けた。だが07年の新潟県中越沖地震で東京電力柏崎刈羽原発が長期停止し、利用率は60・7%(07年度)にとどまると指摘。耐震安全性を確認し、効率的な運転をすべきだと強調した。
再処理工場は、高レベル放射性廃棄物のガラス固化体製造がうまくいかず、試運転がたびたび中断しているが「今後もさまざまな故障、トラブルが予測される」として克服するよう求めた。
候補地が決まらない高レベル廃棄物最終処分場の立地可能性調査に自治体が応募を検討できる環境づくりや、高速増殖炉原型炉もんじゅ(福井県)の運転再開のために日本原子力研究開発機構の組織や技術の整備を提言した。
2009年03月25日
原子力に関する一般質問-【玄海町議会】
会 期:3月9日(月)~3月25日(水)
場 所:玄海町議会議事堂 議場
◎3月12日(木) 本会議〈一般質問〉
▼中山敏夫議員
原子力行政について1/6
原子力行政について2/6
原子力行政について3/6
原子力行政について4/6
原子力行政について5/6
原子力行政について6/6
▼渡辺一夫議員
原子力発電所について1/4
原子力発電所について2/4
原子力発電所について3/4
原子力発電所について4/4
2009年03月24日
原子力安全・保安院の欺瞞
Net-IB九州企業特報:深層WATCH(2009/03/24)
経済産業省の外局である原子力安全・保安院は、原発の安全性を確保するために内部告発をはじめとする事故やトラブル情報を受け付け、調査結果も公表している。とはいえ国策として原発を推進する立場から、かねてよりその調査方法、調査結果が電力会社寄りという批判がある。四国電力伊方原発での火災事故申告者への対応はその典型だ。
全国での原発火災事故 防火・消火態勢の脆弱さ
一昨年7月の中越沖地震で被災し、7基の原発すべてが停止している東京電力柏崎刈羽原子力発電所は、運転再開をめざして全機の修理、点検を行なっている。東電はその様子を東京を中心とする供給エリアのテレビCMで頻繁に流してきた。同原発の再開を期して、復旧ぶりをアピールするためだ。ところが今月5日、1号機の原子炉建屋内で火災が発生、作業員が火傷を負った。実は地震後の点検、修理中の火災はこれで8回目になる。
過去、全国の原発での火災は枚挙にいとまがなく、その防火、消火体制の脆弱さを指摘されても、電力会社が対策に真剣に取り組んだ形跡は見あたらなかった。その結果、東電は地震で3号機タービン建屋の変圧器火災が発生しても、消火できないまま何時間も燃え続ける醜態をさらしたのは周知の通りだ。
被災した柏崎刈羽原発の復旧作業をしている最中の、たび重なる火災である。東電は一体何を考えているのか、あ然とするほかない。7号機からの運転再開を目論んでいた東電はもとより、経産省資源エネルギー庁も原子力安全・保安院(以下、保安院)も砂を噛む思いだろう。その最中の3月11日、保安院を1人の男性が訪ねてきた。元荏原製作所四国支店に勤務していた本田省吾氏(63歳)である。
同氏は3年前の2006年(H18)秋、保安院にかつて四国電力伊方原発で起きた重大事故を告発した人物だ。しかし、一昨年1月に保安院から発表された調査結果は事実と異なる納得し難いものとして、本田氏は再三にわたって再調査を依頼してきたが、相手にしてもらえない。そこで病身ながら、保安院の見解を質すためにわざわざ四国から上京してきた。
「私が告発したのは92年11月に起きた同原発3号機の火災です。当時、1、2号機はすでに稼働していましたが3号機は建設中で、私は消火ポンプを受注した荏原製作所の現場監督としてその据え付け工事に当たっていました。そして工事が終わって試運転をしたときに配線ケーブルが燃え上がり、消火器だけで簡単には消し止められない火災になりました。消火ポンプは原子炉建屋全体を火災から守る非常に重要なものだけに、古い事故とはいえ隠蔽したままでは済まないと考えたからです」(本田氏)
伊方原発の火災事故 事故報告後の隠蔽強要
伊方原発は愛媛県から九州に突き出した佐多岬の根元、伊方町の瀬戸内海側に立地する四国電力(以下、四電)唯一の原子力発電所である。現在、電気出力56.6万KWの1、2号、同89万KWの3号と3基が稼働中だ。最近は安全性への疑問から反対も多いプルサーマル(ウランにプルトニウムを混ぜた燃料を燃やす)試験に九州電力とともに真っ先に手をあげる一方、中越沖地震で原発の耐震性が改めて問題になるなか、中央構造帯の上に位置する同原発の耐震性を疑問視する声が高まっている。
本田氏によれば問題の3号機火災は、電気で動くモーター駆動ポンプ、A重油燃料のエンジン消火ポンプの2台をはじめ、操作盤やバッテリー盤の設置、配管や配線など一連の工事を終えて試験運転したときだった。
「試運転は四電社員5~6人、それに私とポンプメーカー社員の7~8人でやりました。最初にモーター駆動のポンプを約1時間運転。異常はなく、続いてエンジン駆動ポンプをこれまた1時間運転し、停止ボタンを押しても止まらない。その瞬間、ポンプと操作盤を繋ぐ配線ケーブルから出火。消火器でいったん消し止めたものの、その後またすごい勢いで燃え上がり、消火器だけでは止められない。そこで配線ケーブルそのものを切断し、あとは消火器で消したんです」(本田氏)
問題はさらにその後も続く。もとより出火原因がその場でわかるはずもなく、各社それぞれに事故報告に走るなか、本田氏もすぐ荏原製作所の四国支店へ事の顛末を報告。翌朝には香川県高松市から最高責任者の支店長が伊方へ駆けつけてきた。
「支店長が四電の現場最高責任者である建設所長と1時間ぐらい話し合った後でしたが、私は所長室に呼ばれ、2人から火災はなかった旨を了承するように指示されたんです」(本田氏)
つまりは隠蔽の強要である。原発では建設中から稼働後も大小さまざまな事故、トラブルが発生するが、些細なものとして国や自治体への報告を怠る場合もあれば、重大、深刻すぎるために意図的に隠すことも珍しくない。原発への批判、反対を恐れて、事故、トラブルは隠そうというのが電力会社のいわば習性だからだ。この事故を電力側、受注側ともにいかに重大視したかは、四電3号機建設所長と荏原製作所四国支店長というトップ同士が鳩首会議、現場責任者の本田氏に口止めを指示したことでも明白だ。
告発を無視した保安院の対応
事故が深刻だったのは当然。消火ポンプは原発本体である原子炉建屋内各所に配置された消火栓に水を送るもの。原子炉建屋で火災が発生したとき、消火システムが機能しなければ大事故につながる可能性がある。その後、問題の機器は取り換えられて工事完了。他のすべての工事も終わり、3号機は94年から試運転を経て同年末から営業運転を開始した。それまで本田氏は荏原製作所の他の仕事にも携わるが、3号機工事責任者であることに変わりはなかった。
それというのも消火ポンプは消防法に基づき、『消防用設備等検査済証』の交付を受けなければならないが、検査には施行責任者も立ち会う必要がある。ところが本田氏はそれに立ち会っていないという。つまり四電は消防の検査を受けないまま3号機を動かしたことになる。事実なら事故隠蔽のみならず法律違反だ。
「私は内部告発は罪になると思いこんでいましたが、04年に会社と縁が切れたうえ、法律で告発も保護されると知り、保安院に申告しました」(本田氏)
ところが保安院の対応は、名称を「原子力安全」より「電力会社安全」に置き換えてしかるべきものだった。本田氏の申告を受けて発表したその調査結果は、同氏の主張を無視、四電と摺り合わせして導き出したものでしかないことを冒頭から露呈していた。
2009年03月23日
原子力用語辞書2009 for ATOK
ワープロソフト「一太郎」で有名な株式会社ジャストシステムは、社団法人日本原子力学会と共同開発したATOK用変換辞書「社団法人日本原子力学会 原子力用語辞書2009 for ATOK」を6月末に発売します。
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日本原子力学会と共同開発した「社団法人日本原子力学会 原子力用語辞書2009 for ATOK」を
6月末に発売
~原子力関連用語の正確で効率的な入力が可能に~
ジャストシステム(ニュースリリース:2009/03/23)
株式会社ジャストシステムは、社団法人日本原子力学会と共同開発した、原子力関連用語の正確で効率的な入力が可能になるATOK専門用語変換辞書「社団法人日本原子力学会 原子力用語辞書2009 for ATOK」を、6月末に発売します。希望小売価格は、18,000円(税別)です。法人向けのライセンス価格は、16,000円(税別)/1ライセンスとなります。本製品の利用には、日本語入力システム「ATOK」が別途必要となります。
原子力関連事業に携わる官公庁や団体、企業は、事業の管理運営や情報伝達において安全性の観点から万全を期す必要があり、監督官庁への提出文書、事業者間で交わされる文書についても誤りなく正確に記述することが求められています。原子力関連用語は難解で多岐にわたるため、原子力関連の標準化を進めている日本原子力学会 標準委員会では、表記統一した用語を正確に使って民間規格(標準)の作成を簡単に行える方法を必須としていました。
その課題を解決するツールとして、「ATOK」とATOK専門用語変換辞書を利用した入力方法が高く評価され、原子力関連用語に関するATOK専門用語変換辞書を新たに共同開発することになりました。
開発にあたっては、原子力関連用語とその定義について規定している「JIS Z4001原子力用語」の内容に加えて、ジャストシステムが日本原子力学会発行の民間規格(標準)から用語抽出を行った用語を、日本原子力学会標準委員会の専門家が定義や表記などの観点から精査し、ATOK専門用語変換辞書に採用しています。
文書作成時の難しい原子力関連用語への正確な変換や用語の一部から長い正式名称への入力、英単語への変換がスムーズに行えるほか、入力しながら原子力関連用語の説明を参照することも可能です。
今後、ジャストシステムは、専門用語の表記統一、効率的で正確な入力が求められている業界の団体・学会などと協力して業界に特化したATOK専門用語辞書の作成に取り組み、それぞれの業界に応じた効率的な入力環境の実現を支援していきます。
2009年03月23日
温暖化防止対策で投資拡大を
Buisiness i (2009/03/23)
◆太陽光・風力発電に期待
地球温暖化対策が急務だ。2008年7月の北海道洞爺湖サミットでは2050年をめどにCO2排出量を半減するという認識を共有することで参加各国が一致した。具体的な削減目標は今年12月、デンマークのコペンハーゲンで開催されるCOP15で決定する予定だ。それに向けて政府は6月までに日本のCO2排出削減策をまとめることになっており、「低炭素社会」への取り組みを本格化させるときがやってきた。
日本のCO2排出量でもっともシェアが高いのはエネルギー分野。発電ではCO2を排出しないためには、化石燃料に由来しないエネルギー源へのシフトを進めなければならない。原子力は現在でも日本の電力供給量の約3割を占めている。これまで原子力発電に対する反対運動が大きく、新規発電所の建設は難しい状況だった。
しかし原子力発電は発電に関しては、CO2を排出しないという優れた点があることも事実。そのため、長く原子力発電所の新規着工を凍結してきた米国やスウェーデンでも、建設が解禁される動きが出ている。原子力発電にとっては追い風が吹いてきたといえるだろう。しかし、ウランなど限られた資源を消費するだけでは資源の安定利用にはならない。そのため使用済み核燃料の再利用も織り込んだ、安全で信頼性の高い核燃料サイクルの確立は必要だ。
青森県六ケ所村に建設が進められてきた核燃料再処理工場が完成。さらにウラン・プルトニウム混合燃料(MOX燃料)工場も、2年後には稼働開始する予定になっている。
◇
原子力発電のウエートを高めるだけが日本の取るべきエネルギー政策ではない。日本は先進国の中でも再生可能な自然エネルギーの使用割合が最も少ない。世界各国で風力発電や太陽光発電の規模が拡大している中で、日本は取り残されつつある。ソーラーパネルでは日本は有数の技術と生産力を持っている。薄型テレビ用の液晶パネルが不振な状況で、ソーラーパネルは世界的な需要増に支えられて堅調に推移している。また、日本の技術は高効率のソーラーパネルを生み出してきた。そうしたインフラを有効活用する道はある。
日本は国土が狭く、米国のように広い土地に太陽光発電システムを設置して大規模な発電ができないという面はある。しかし住宅の屋根に安価に太陽光発電システムを載せられるようになれば、トータルとして家庭用電力の一部をまかなうことができるだろう。政府も今年1月に家庭設置型の太陽光発電に対する補助金を復活させた。
風力発電も同様である。電力会社の購入量が少なく風力発電システムは多く設置されているのに、また設置計画が多いのに利用が進まない。発電が“風まかせ ”で安定しないため、系統電力として利用しにくいという欠点はある。しかし欧州の例を見ても、非常に高いウエートで風力発電を利用している国もある。設備投資は必要になるものの、風力発電による電力を安定化する装置を付設し、系統電力として使用する設備の普及も、新たな高効率風力発電設備の開発と合わせて新しい需要を開拓することになるだろう。
2009年03月22日
放射性廃棄物最終処分場:楢葉町長陳謝
毎日新聞(2009/03/20)
楢葉町の草野孝町長は19日、高レベル放射性廃棄物の最終処分場を「国から要請があれば(建設の可否を)検討したい」とした発言について、町議会全員協議会で「誤解を招きかねない発言だった」として陳謝した。
草野町長は冒頭「民意を無視し、独断で推進しているかのような誤解を招く報道につながり、衷心より厚くおわび申し上げます」と述べ「これまでのスタンスを変えるつもりはない。今後この件に関しては一切コメントしない」とした。町長が誘致を検討しているとする一部報道について「議論の余地はあると一般論で話した」と否定した。
町議からは「要請があっても検討する必要はない」「発言には十分注意をしてもらいたい」などの声が上がった。松本重義町議は「町長の信念は分かるが、県でプルサーマルの議論が始まろうかという時に騒ぎになったのはマイナスだ」と話し、松本清恵町議は「町民を裏切る行為で、責任を取って辞職すべきだ」とした。草野町長は「町民に対しては、広報紙などを通じて(誤解だと)周知に努めたい」と話した。【関雄輔】
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原発処分場積極誘致は否定
読売新聞(2009/03/20)
楢葉町長「国の要請あれば検討」
双葉町議会は19日、2009年度一般会計予算案など計41議 楢葉町議会の全員協議会が19日開かれ、原子力発電で出る高レベル放射性廃棄物の最終処分場受け入れ検討問題について、草野孝町長は「積極的に誘致しようという考えはない」と強調しつつ、「立地町である限りにおいて、国の要請があれば検討の余地はある」と述べた。議員からは批判の声が相次いだ。
この日の全員協議会は、「誘致検討」と15日に一部で報道され、同夜、草野町長が記者会見で「国の要請があれば、受け入れを検討する」と述べたことを説明するためとして、開かれた。
冒頭、草野町長は「誤解を招く発言でご迷惑をおかけしたことをおわび申し上げる」と謝罪。続いて町当局が、最終処分場に対する町の姿勢として、積極的な誘致の方針を取らないことを説明した。
この後、議員からの質疑で発言の真意を問われた草野町長は、「原子力政策全体に対する一般論」と強調しながら、「この地域には原発が10基もある。原子力との共生(に関する問題)はすべてクリアしていく必要があると判断したことが、一般論で先走った話になった。2度とこのようなことがないようにしたい」と述べた。その一方、国の要請があった場合については、「検討の余地はある」と従来通りの考えを示した。
議員からは、「県議会がプルサーマルの問題についてテーブルについたばかりの今、なぜこのような状況になるのか」「要請があっても検討する必要はない。町は発電所を誘致しただけで、最終処分場まで認めたわけでない。必要性は分かるが、国が責任を持って(受け入れる)地域を探すべき」などの批判が出た。
また、一部議員からは「町民はいま混乱し、不安に思っている。町長の責任問題だ」として辞職を求める一幕もあった。これに対して、草野町長は「町のホームページや広報等で(考えを)周知徹底し、住民に理解を求めたい」と答えた。
2009年03月21日
動きだすプルサーマル
国内初のプルサーマル発電が今年11月にも、佐賀県玄海町にある九州電力玄海原子力発
電所3号機で始まる。使用済み燃料を再利用し、ウランを節約する同発電は、国が進める「核燃料サイクル」計画に不可欠な取り組みだ。同計画は、資源がほと
んどない日本のエネルギー問題の展望を開くとの期待がある一方、その安全性や必要性を疑問視する声も少なくない。同発電を推進する九電の段上守・常務執行
役員(取締役、原子力発電本部長)と、異議を唱える吉岡斉・九州大大学院比較社会文化研究院教授(科学史)に話を聞いた。 (聞き手は経済部・曽山茂志、
佐賀総局・東伸一郎)

‐プルサーマル発電は、玄海原発3号機で国内初の実施になる。
「地元には7月末、定期検査内容の事前説明を行う際、プルサーマル発電実施を具体的に報告することになると思う。後に続く中部電力や四国電力に情報提供しながらミスをせず、しっかり責任を果たしたい」
‐プルサーマル発電はなぜ必要なのか。
「原発は温室効果ガスを排出せず、環境に配慮した発電施設として世界的に建設の動きが広がっている。ウラン燃料は大切に使わないといけない。需要増に伴
い、今後はウラン価格も上昇するだろう。(核兵器に転用できる)余剰プルトニウムを持たないという国際公約も守らないといけない」
‐原子炉内で出力をコントロールする制御棒の利きが低下するなど安全性の不安が指摘されている。
「制御棒の利き方が変わるのは確かだ。ただ、これまででもウラン濃縮度が高い高燃焼度の燃料を導入した際も、制御棒の利き方は変わったが、燃料の配置を工
夫するなどして安全性は保てた。プルサーマル発電の場合も、ウラン燃料とMOX燃料の組み合わせ方や配置を工夫することで安全性は十分に確保できる」
「そもそも原子炉内では、ウラン燃料のみを使う従来の運転でも、プルトニウムが発生し、一緒に燃えている。原子炉はプルトニウムを燃焼することも計算されている。MOX燃料を使用しても炉内の状況(性能)が大きく変わることはない」
‐開始までの安全確認のスケジュールは。
「MOX燃料が到着後、輸送容器から取り出して自主的に検査する。6月ごろ、国の検査を受けたあと、9月下旬‐10月上旬、原子炉に装荷(装てん)する。10月中旬、試運転を始め、制御棒の利き方などを確認する。その上で11月中旬から通常運転に入る予定だ」
‐使用済み燃料を再処理した後に出る高レベル放射性廃棄物の処分場は未定。青森県六ケ所村の再処理工場もトラブル続きで本格操業が大幅に遅れている。核燃料サイクルは構築できるのか。
「再処理工場は詰めの段階で生みの苦しみに直面している。先行するフランスでも最初はてこずった。技術的に乗り越えられると信じている」
‐使用済み燃料を再処理するまで一時的に保管する中間貯蔵施設について、玄海原発がある佐賀県玄海町の町長が受け入れに積極的だ。
「非常にありがたい。国内で発生する使用済み燃料を六ケ所村の再処理工場ですべて対応するのは能力的に不可能。追加の能力を持つ再処理工場ができるまで保管する中間貯蔵施設が必要だ。九電でも2020年までに必要になると考えており、機が熟せば具体的な検討に入る」
◆だんがみ・まもる 1967年九州大工学部卒、同年4月九州電力入社。川内原子力発電所長などを経て、2007年6月から現職。64歳。
■コスト見合う利点なし 九州大大学院教授(科学史) 吉岡 斉氏
‐プルサーマル発電は安全なのか。
「プルトニウムの毒性はウランの10万倍。事故が起きた場合の汚染は深刻になる。MOX燃料はウランとプルトニウムを混ぜたものだから、発熱や熱伝導が不
均等になりトラブルが起きやすくなる可能性がある。それに、プルトニウムは核分裂を起こすまでのスピードが速いので、通常のウラン燃料用の制御棒ではコン
トロールができにくくなるだろう」
‐電力会社は海外の実績や国内での試験運転でMOX燃料を理由にしたトラブルがないことから安全だと主張している。
「確かにプルトニウムを混ぜるのはMOX燃料全体の3分の1程度だから、ウラン燃料よりも大幅に危険度が増すわけではない。ウラン燃料を使っている原発でも事故の可能性はあるわけで、今ある原発と危険度に大差はない」
‐そもそもプルサーマル発電は必要なのか。
「日本が保有する(核兵器に転用できる)余剰プルトニウムを処分するという意味では認める余地はある。しかし、国はプルサーマルと(使用済み核燃料を再処
理する)青森県六ケ所村の再処理工場の稼働を連動させた核燃料サイクルを進めようとしている。国内で新たにプルトニウムを取り出して処理するためであるな
ら賛同できない」
‐国や電力会社は「ウラン燃料を有効活用することは、エネルギー資源の大半を輸入に依存する日本の切り札になる」と核燃料サイクルの意義を強調するが。
「メリットは厄介者のプルトニウムを処理するだけ。デメリットが大幅に上回る」
‐デメリットとは。
「資源の有効活用というが、プルサーマルで節約できるウランは1割程度にすぎない。ウラン価格は下がっている。世界的な不況で投機資金もなくなり、今後10年は安定供給されるのが確実だ。危険なプルトニウムを保有すれば、犯罪やテロに対する備えも必要になる」
「六ケ所村の再処理工場は試運転はしているが、設備の不具合が続き、完成時期が当初より10年以上も遅れている。巨額資金が湯水のように使われているが、
結局、それはわれわれの電気料金に跳ね返る。プルサーマルを含めた核燃料サイクルは不確実で危険。高いコストに見合うメリットがなく、やめるべきだ」
‐とはいえ、順調にいけば11月に全国初のプルサーマル発電が玄海原発で始まる。核燃料サイクルが動き始めるが、受け入れた佐賀県と玄海町に今後、何を求めるか。
「自治体には住民の安全を守る責務がある。国策だからと言って逃げることなく、自ら判断しなければならない。独自に安全調査をするなど監視を続けてほしい」
◆よしおか・ひとし 1953年生まれ。東京大理学部卒。和歌山大助教授などを経て現職。内閣府の原子力委員会の専門委員。55歳。
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■プルサーマル発電
原子力発電の使用済み燃料を再処理してプルトニウムを取り出し、ウランと混ぜて製造する混合酸化物(MOX)燃料を、既存の原発の軽水炉で燃やす発電方
式。海外では1960年代から2007年末までにドイツ、フランス、スイスなど9カ国57基で計6018体が使用された。
日本はウラン節
約と「余剰プルトニウムを持たない」とする国際公約を守る目的で1997年に同発電の推進を閣議決定。九州電力、中部電力、四国電力は今年3月初め、同燃
料製造を委託したフランスから共同で燃料輸送を開始。5月後半に国内に到着し、燃料を交換する定期検査の日程上、9月下旬‐10月上旬に同燃料16体を装
荷(装てん)する九電の玄海原発3号機が国内第1号になる。
電力業界は、10年度までに国内の原発16‐18基で実施することを目指しているが、先行した東京電力や関西電力が燃料データ改ざんなどで出遅れており、達成は困難になっている。
=2009/03/21付 西日本新聞朝刊=


